「シングルマザーって手当もらいすぎじゃない?」
そんな声を見かけてモヤっとしたことはありませんか?
私自身、子ども3人を育ててきたシングルマザーとして「もらいすぎ」とは思いません。
手当は生活を支えるための最低限の制度であり、収入が増えれば減る仕組みになっているからです。
そのため、たくさんもらっているように見えるだけで、実際には余裕のある生活とは言えないケースがほとんどです。
この記事では、
- 実際にもらえる手当の金額
- 収入によってどう変わるのか
- リアルな生活の実情
をもとに「なぜシングルマザーが手当をもらいすぎと言われるのか?」を分かりやすく解説します。
なぜ「もらいすぎ」と思われるのか

シングルマザーに対して「手当をもらいすぎでは?」という声が出ることがあります。
しかし、その多くは制度の仕組みが正しく知られていなかったり、イメージだけで語られているケースも少なくありません。
主な理由は次の3つです。
①手当の種類が多い
児童扶養手当・児童手当・医療費助成など複数あるため「たくさんもらっている」という印象を持たれやすくなっています。
実際は、それぞれ所得制限があったりして人によってばらつきがあります。
② 一部の情報や不正受給のイメージ
ニュースやSNSで一部のケースが取り上げられることで、それが全体のイメージとして広がってしまうことがあります。
所得や養育費をごまかして手当を受け取っていたりするシングルマザーがいることも事実ですが、一部の人に過ぎません。
③ 実態とのズレ(働き方や生活状況)
「手当=働いていない」という誤解や、実家の支援があるケースと混同されることで、実際の生活とのギャップが生まれています。
実家暮らしで裕福に見えるシングルマザーの方もいますが、同居していれば手当はもらえないことがほとんどです。
シングルマザーが受けられる主な手当
実際にシングルマザーが受けられる手当の内容を理解すれば、もらいすぎと思っている人も「そんなことないのかも?」と感じると思います。
シングルマザーが利用できる主な制度には、以下のようなものがあります。
- 児童扶養手当
- 児童手当(全家庭対象)
- 医療費助成
- ひとり親向けの給付金
ただし、これらは収入に応じて支給額が変わる仕組みになっているため、そのまますべて受け取れるわけではありません。
実際に、児童扶養手当などは収入が増えるにつれて減額され、一定のラインを超えると支給が停止されることもあります。
また、子どもの人数や年収、住んでいる地域によっても支給額は大きく変わります。
中には、「手当だけで生活してるんでしょ?」と思っている人がいます。
しかし、多くのシングルマザーは働きながら生活しており、手当だけで生活しているわけではありません。
「収入と手当を合わせてなんとか家計を成り立たせている」というケースが多いのが実情です。
実際の支給額を知ったら、手当だけで生活していくのが難しいというのがわかってもらえると思います。
実際の支給額についてはこのあと具体的に見ていきます。
実際いくらもらえるの?

「結局いくらもらえるの?」というのが一番重要なポイントですが、手当の金額は子どもの人数や年収によって大きく変わります。
ここでは比較的多いケースとして、子ども2人のシングルマザーの場合の目安をご紹介します。
※2026年4月時点の情報です。
支給額の目安
- 児童扶養手当:2人で59,400円/月 (全部支給の場合)
- 児童手当:1人あたり月1万円〜1.5万円 (年齢による)
例えば、小学生の子どもが2人いる場合、児童手当だけで月2万円ほどになります。
ここに児童扶養手当が加わると、合計で月8万円前後になるケースが多いです。
実際のイメージ
あくまで一例ですが、収入によってもらえる手当のおおよその目安は次のようになります。
・子ども2人/年収 約200万前後:月8万〜10万円前後
・子ども2人/年収 約300万前後:月5万円前後
・子ども3人/年収300万前後でも10万円以上になることもあり
ただし、これはあくまで目安であり、自治体や細かい条件によって金額は前後します。
ここが重要:収入が増えると手当が減る
ここでは、シングルマザーがもらえる手当(児童扶養手当)について、一番重要なことを説明します。
中には、「仕事もして、さらに手当ももらえるんだから余裕でしょ?」と思う人もいると思います。
しかし実は、手当は固定ではなく、収入に応じて段階的に減額される仕組みです。
- 収入が低い → 満額に近い
- 収入が増える → 徐々に減額
- 一定ライン → 支給停止
収入が低い場合は満額に近く支給されますが、収入が上がるにつれて少しずつ減額され一定のラインを超えると支給停止となります。
また、養育費を受け取っている場合はその一部が所得として扱われ手当の算定に含まれます。
そのため、養育費の金額が多い場合はその分手当が減額されるケースもあります。
こうした仕組みなので、仕事を頑張ったとしても単純に「その分プラスになる」というわけではないことがわかってもらえるかと思います。
収入が増えてもプラスになっていかない理由
ここまでで説明した通り、仕事をした分がそのままプラスになるわけではないことがわかってもらえたと思います。
ここでは具体的な数字で、収入が増えてもプラスにならない理由をお伝えします。
例えば、次のようなケースがあります。
- 年収150万円+手当50万円=合計200万円
- 年収180万円+手当20万円=合計200万円
この場合、合計の収入はどちらも200万円になります。
つまり、収入が30万円増えていても、実際に使えるお金はほとんど変わらないという状況になることがあります。
このように、収入が増えるほど手当は段階的に減っていき、最終的には支給が打ち切られます。
仮にそのラインが年収300万円前後だったとしても、子どもを育てていくことを考えると「裕福になった」と感じることはほとんどないのではないでしょうか。
むしろ、ようやく一般的な生活に少し近づいたと感じる程度、というのが実感に近いと思います。
さらに、収入が上がるとここに
- 税金
- 社会保険料
が増えるため、むしろ負担が増えることもあります。
こうした仕組みが、収入が増えても必ずしもプラスになっていかない理由です。
手当だけでの生活は正直かなり厳しい

手当の金額だけを見ると「意外ともらえている」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、実際の生活では決して余裕があるとは言えないのが現実です。
ここでは、一般的な支出の目安を見てみます。
毎月の主な生活費
・家賃:5万〜8万円
・食費:5万〜7万円
・光熱費:1万〜2万円
・通信費:5千円〜1万円
・教育費・日用品・雑費など:2万〜5万円
これらを合計すると、月15万〜25万円前後かかるケースが多いです。
そのため、手当が月5万〜10万円程度だった場合、全く足りていません。
つまり、手当自体が働いて補う前提の制度になっています。
手当だけでは生活は成り立たないのが現実
ここまでで紹介した通り、手当は月5万〜10万円程度が目安です。
そのため手当だけで生活費をまかなうことは難しく、不足分は働いて補う必要があります。
できる限り節約を意識して生活したとしても、手当だけでやりくりするのは現実的には厳しいのが実情です。
多くのシングルマザーは、フルタイムやパートで働きながら家事や育児も一人でこなしています。
それでも生活はギリギリになりやすく、毎月の支出で精一杯で貯金まで回す余裕がないというケースも少なくありません。
特に子どもが小さいうちは、急な体調不良や学校行事などで思うように働けないこともあり、収入を増やしたくても限界があるのが現実です。
さらに家計が厳しくなりやすいのが、予想外の出費です。
・子どもの急な体調不良による通院や看病
・学校行事や習い事にかかる費用
・家電の故障や引っ越しなどの大きな出費
こうした支出が重なると、一気に家計が苦しくなることもあります。
もともと余裕があるわけではない中での出費になるため、タイミングによっては大きな負担に感じることも少なくありません。
また、最近は物価高騰の影響でこれまでと同じように生活していても出費が増えていると感じます。
今後も物価が上がっていけば、手当があっても決して余裕があるとは言えない状況になると思います。
このように、手当は生活を支える大切な制度ではありますが「もらいすぎ」と言えるほど余裕のあるものではないのが実際のところです。
リアルな本音

ここまで制度や金額を見てきましたが、シングルマザーとして実際の生活の中で感じる本音の部分をお話しします。
余裕があると感じたことはほとんどない
「手当があるから楽でしょ」と言う声もありますが、正直なところ余裕があると感じたことはほとんどありません。
余裕どころか、毎月給料日前に手元に残るお金はわずかで「今月もなんとか乗り切った」という感覚の方が近いです。
また、少しずつ貯金をしても子どもの教育費などでまとまった出費が必要になることもあり、なかなか安心できない状態が続いています。
私の場合は子どもが三人ということもあり、手当がなければここまで生活してこられなかったと思っています。
将来の不安の方が大きい
日々の生活を回すだけで精一杯な中で、常に頭にあるのは「この先どうなるんだろう」という不安です。
子どもがある程度大きくなったとはいえ、この先の進学費用や自分が働けなくなったときのこと、突然の出費などを考え始めると不安は尽きません。
また、子どもにかかる費用を優先するあまり、自分の老後の貯蓄は後回しになってしまい「子どもが巣立ってから考えるしかない」と思っています。
そのため、将来のことも安心して過ごせる余裕があるとは言えません。
働いても楽になるとは限らない
「もっと働けばいい」と思っても、現実はそれほど単純ではありません。
収入が増えると手当が減ってしまうし、時には子どもの体調不良で仕事を休まざるを得ないこともありました。
子どもが小学生くらいの頃に掛け持ちをしようと考えたこともありますが、働ける時間が限られている中では思ったほど収入が増えるわけではないことに気づいてやめました。
もし掛け持ちをしたとしても、手当が減り税金がかかるようになるうえに、体力ばかりが消耗していくような気がして、ずっと続けるのは難しかったと思います。
そのうえ、子どもと過ごす時間も減ったり、気持ちにも余裕がなくなってしまう気がしていました。
こうした経験から、自分の親と同居でもしていない限り、時間や体力にも限界があり思うように働けないことも多くあると感じています。
結果的に「出来るだけ頑張っているのに楽にならない」と感じてしまう場面も多くありました。
金銭問題は誰にも言えないしんどさがある
シングルマザーで周りに頼れる人がいない場合、悩みや不安を一人で抱え込んでしまうことも少なくありません。
特に金銭的な問題は人に話しづらく、弱音を吐ける相手も限られています。
私自身も「自分で決めたことだから」と、つらい気持ちや大変さをあまり人に言わずに過ごしてきました。
基本的にはポジティブな方ですが、元夫が自由にお金を使っている様子を目の当たりにしたときには、どうしても割り切れない気持ちや怒りが湧いたこともあります。
それでも「そうなる可能性も分かったうえで離婚したのでは?」と思われるのではないかと考えてしまい、本当に信用している一部の人にしか弱音や愚痴をこぼすことができませんでした。
そんな毎日を送っていると、気づかないうちに心が疲れてしまうこともあります。
私も、一時的に身内以外には会う気になれない時期がありました。
友達がおすすめしてくれたものがあっても、(そんなの買ってる余裕ないんだよね…)と思ったりとか、相手はおしゃれできれいな恰好をしているのに比べて、自分は安っぽい服だな…とか、人に会っても楽しめなくなっていたからです。
もちろん、そんなことでバカにしたり見下したりするような友達ではないのですが、自分自身が耐えられませんでした。
今は「一人で3人も育ててるんだから余裕がないのは仕方ない!」と割り切っていますが、やはり心が疲れている時期はしんどいと感じることがありました。
まとめ
ネットでは「シングルマザーは手当をもらいすぎ」と言われることもありますが、実際はそんなことはありません。
シングルマザーの手当についてまとめました。
- 手当は生活を支える最低限の制度
- 収入が増えると減る仕組み
- 手当だけでは生活できない
見た目だけでは分かりにくいですが、現実は決して楽ではありません。
私自身、これまでいろんな制度に助けてもらいながらここまでやってきました。
もし、周りの声のせいで罪悪感を持っているシングルマザーの方がいたら、難しく考えすぎず、使える支援は遠慮なく使っていいと思っています。
これまで「もらいすぎ!」と思っていた方も、この記事を読んでそんなことないのかもな…と感じていただけると嬉しいです。


